チェロ

音楽ドキュメンタリー「傷ついた地球への組曲」が話題
ターニャ ·テツラフ
Tanja Tetzlaff
チェリストのターニャ・テツラフは、ソリストとしても室内楽奏者としても、同世代で最も影響力のある音楽家の一人である。彼女の演奏の特徴は、独特の繊細さと同時に、力強さとニュアンスにあり、常に深い音楽性を伴っている。
特にクラシックの枠を超えて、他の芸術形式を取り入れたり、現代社会のニーズに応えることに力を入れており、自然保護や気候変動の問題をコンサートホールに持ち込むことに特別な関心を寄せている。これらの取り組みにより、ドイツのオーケストラ協会「Orchester des Wandels」から終身大使に任命され、2024年にはデュイスブルク音楽賞を受賞した。
2021年ターニャ・テツラフは、ワイマール市からグレン・グールド・バッハ・フェローシップを授与された初の奨学生となった。この賞金で、音楽ドキュメンタリー「傷ついた地球への組曲」の制作を実現、この映画はバッハの無伴奏チェロ組曲を自然や気候変動の問題に関連づけるもので、2023年4月にワイマールで上映された後、ヨーロッパ各地で上映されており、NHKテレビでも2023年10月に放送され、話題を呼んだ。
ターニャ・テツラフは非常に幅広いレパートリーを持ち、2022年9月にはオルガ・ノイヴィルトのチェロと打楽器のための二重協奏曲をトロンハイム交響楽団と初演、同年には夫であるヴァイオリン奏者フローリアン・ドンダラーとタリンでトヌ・クルヴィッツの二重協奏曲を初演した。
これまでアラン・ギルバート、ダニエル·ハーディング、フィリップ·ヘレヴェッヘ、ロジャー·ノリントン、パーヴォ·ヤルヴィ、ハインツ·ホリガー、カリーナ・カネラキス、ロビン・ティチアーティらの指揮のもと、ヨーロッパや北米の主要オーケストラ、日本では東京都交響楽団、NHK交響楽団などと共演している。
室内楽はターニャ・テツラフの活動の柱になっており、テツラフ・カルテットの創設メンバーとして、1994年より世界中でカルテットのコンサートを行っている。また、フロリアン・ドンダラーとのデュオやトリオでも国際的に活躍している。さらに兄のクリスティアン・テツラフ、そしてラルス・フォークト亡き後、ピアニストのキヴェリ・ドゥルケンと共に、テツラフ・トリオとしても活躍している。
このトリオは、インターナショナル・クラシック・ミュージック・アワード(ICMA)を受賞したブラームスのアルバムをはじめ、数々の受賞歴を誇る録音作品をリリースしている。ターニャ・テツラフのディスコグラフィーには、Cavi、Ars、NEOS、Ondineからのリリースが含まれ、ヴォルフガング・リームやエルンスト・トッホらの作品が収録されている。バッハの無伴奏チェロ組曲とトルステン・エンケの作品を収録したソロ・アルバムは、2019年10月にリリースされた。
ハンブルクにてベルンハルト·グメリンに、ザルツブルグ·モーツァルテウム音楽院にてハインリヒ·シフに師事。2024年より、ブレーメン芸術大学の教授を務める。使用楽器は、1776年製のジョヴァンニ·バティスタ·グァダニーニ。
