
ピアノ
ピョートル・アンデルシェフスキ
Piotr Anderszewski
ピョートル・アンデルシェフスキのピアノ演奏においては、まれにみるディテールへの配慮によって、すべてが掛けがえのない瞬間となる。
The Scotsman 五つ星レビュー (2025年8月)
主に小品を並べたプログラムは、まさに珠玉ぞろいの逸品だった。アンデルシェフスキは非凡なピアニストだ——場違いな音は一つもなく、どの和音も完璧なバランスを保っている。彼の緻密さは常に織り込み済みだが、それでも格別な公演だった。音の小宇宙から表情豊かな世界を引き出すアンデルシェフスキの能力は、驚異の一言に尽きる。
英ガーディアン紙 (2024年10月)
アンデルシェフスキはレパートリーを厳選し、深く掘り下げた解釈と、高く評価される数多くの録音で知られている。キャリアを通じて、J.S.バッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、シューマン、ウェーベルンなど、特にドイツ・オーストリア系のレパートリーに集中して取り組んできた。また、20世紀の中央ヨーロッパの音楽、特にシマノフスキやヤナーチェクにも傾倒している。
2000年からワーナー・クラシックスと専属契約を結び、同レーベルでの最初の録音となったベートーヴェン《ディアベッリ変奏曲》で数々の著名な賞を受賞した。また、グラミー賞にノミネートされたJ.S.バッハ《パルティータ第1番、第3番、第6番》や、シマノフスキのピアノ・ソロ作品も録音し、後者は2006年にグラモフォン賞を受賞している。シューマンのピアノ作品集は、2012年のBBCミュージック・マガジン誌の年間最優秀録音に選出された。その後も2015年にはバッハ《イギリス組曲》、2021年には《平均律クラヴィーア曲集第2巻》から12曲をセレクトした録音でグラモフォン賞を受賞。ハンブルクのエルプフィルハーモニーでの《平均律クラヴィーア曲集》のライヴ演奏はDVDとしてもリリースされている。
ほかにも、ヨーロッパ室内管弦楽団、スコットランド室内管弦楽団、シンフォニア・ヴァルソヴィアとモーツァルトのピアノ協奏曲を、ドイツ・カンマー・フィルハーモニー管弦楽団とはベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番を録音している。最新アルバムは、ブラームスの晩年の作品Op.116~119から自身が選んだ作品を収録したピアノ作品集で、2026年1月にワーナー・クラシックスからリリースされた。
アンデルシェフスキは、ヴィクトリア・ムローヴァ、フランク=ペーター・ツィンマーマン、ニコライ・ズナイダー、ベルチャ弦楽四重奏団らと共演している。歌曲ではマティアス・ゲルネと共演するほか、近年ではイアン・ボストリッジとシューマン《詩人の恋》を演奏し、ウィグモア・ホール創立125周年記念公演にも出演した。
2026/27年シーズンには、ハンブルクのエルプフィルハーモニー、ウィーン・コンツェルトハウス、ベルリンのブーレーズ・ザール、ニューヨークのカーネギーホール、ギルモア、シカゴ、マドリード、ルツェルン、上海コンサートホールなどでソロ・リサイタルを行う。また、東京都交響楽団に再登場するほか、台北市立交響楽団、フィルハーモニア管弦楽団とも共演する。
2002年に権威あるギルモア・アーティスト賞を受賞。アンデルシェフスキの芸術活動は、映画監督ブルーノ・モンサンジョンによる複数のドキュメンタリー作品の題材ともなっている。『Piotr Anderszewski plays Diabelli Variations』(2001年)では、ベートーヴェンを象徴する作品とアンデルシェフスキの特別な関係が描かれ、『Unquiet Traveller』(2008年)は、音楽や特に親和性を感じる作曲家についての思索、そしてポーランドとハンガリーにまたがる自身のルーツを捉えた、ユニークなアーティスト・ポートレートとなっている。2016年には自らカメラの後ろに立ち、故郷ワルシャワに捧げた映画『Warsaw is my name』を監督した。
現在、音楽家、演奏家としての自身の経験を振り返る著書を執筆中である。
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