指 揮
ミヒャエル・ザンデルリンク
Michael Sanderling
間違いない——首席指揮者ザンデルリンクのもと、ルツェルン交響楽団はワールド・クラスへの道を歩んでいる
Hamburger Abendblatt (2023年4月)
BBCスコティッシュ交響楽団の演奏が大変貌を遂げた。どうして全てのアタックが電光のように揃っている?なぜ奏者も聴衆も身を乗り出している?
答えは簡単——理由は指揮者だ
VoxCarnyx.com(2023年3月)
2021年~ ルツェルン交響楽団 首席指揮者
2011年~2019年 ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団 首席指揮者
ミヒャエル・ザンデルリンクは、2021年からルツェルン交響楽団の首席指揮者を務めている。彼は同ポストへの就任以前に、「ブルックナー、マーラー、R. シュトラウスをはじめとする後期ロマン主義時代のレパートリーを掘り下げながら、楽団の更なる発展を目指す」という共通の目標を掲げ、同楽団と長年にわたり有意義な協力関係を築いていた。
ザンデルリンクの指揮のもと、ルツェルン交響楽団はアジア、南米、ドイツへのツアーを成功させてきた。彼らがウィーン・コンツェルトハウスにて、現代美術家ウィリアム・ケントリッジのアニメーション・フィルム『Oh to Believe in Another World』に合わせて行なったショスタコーヴィチの交響曲第10番の演奏は、大きな話題となった。このプロジェクトは以前に、ザンデルリンク指揮ルツェルン交響楽団により、ルツェルンのKKLホールおよびポンペイ・シアトラム・ムンディ音楽祭で初披露された。
ザンデルリンクが首席指揮者就任以降にルツェルン交響楽団とともに録音したアルバムは、いずれも高い評価を得ている。これには、2023年にワーナー・クラシックスからリリースされた『ブラームス:交響曲全集』(全4曲に加え、シェーンベルクの編曲によるピアノ四重奏曲第1番を収録)と、エリーザベト・レオンスカヤとの共演による『シューマン、グリーグ:ピアノ協奏曲』が含まれる。
客演指揮者として引く手あまたのザンデルリンクは、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団、インディアナポリス交響楽団、香港フィルハーモニー管弦楽団、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、パリ管弦楽団、ロンドンのフィルハーモニア管弦楽団、NHK交響楽団、チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団、ウィーン交響楽団、トロント交響楽団、ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団、BBCスコティッシュ交響楽団など、世界中の一流オーケストラを指揮している。
2011年から2019年まで、ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者を任されたザンデルリンクは、任期中に同楽団の名声を高め、ドイツ屈指のオーケストラの一つに育て上げた。同楽団とは地元ドレスデンでの公演はもとより、多くの海外ツアーを行った。その成果は、ソニー・クラシカルからリリースされた『ベートーヴェン:交響曲全集』・『ショスタコーヴィチ:交響曲全集』などに刻まれている。また2006年から2011年まで、カンマーアカデミー・ポツダムの首席指揮者を務めた。
上述のレコーディングのほか、ザンデルリンクの豊富なディスコグラフィには、ドヴォルザーク、シューマン、プロコフィエフ、チャイコフスキーらの代表作の録音が含まれる。ソリストにエドガー・モローを迎え、ルツェルン交響楽団とともに録音した『トランスミッション~ブロッホ、コルンゴルト、ブルッフ、ラヴェル:チェロ協奏的作品集』も好評を博している。
オペラの分野でも才能を発揮しているザンデルリンクは、2011年、プロコフィエフの《戦争と平和》の新制作をケルン・オペラで指揮し、オペラ雑誌『オペルンヴェルト』から年間最優秀コンダクターに選出された。
ザンデルリンクは、献身的に若手音楽家たちをサポートしている。フランクフルト音楽・舞台芸術大学で教鞭を執るかたわら、シュレースヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭のアカデミー・オーケストラとも定期的に共演。また2003年から2013年まで、ユース・オーケストラ「ドイツ・シュトライヒャー・フィルハーモニー」の首席指揮者を務めた。
Media