
指揮&ヴァイオリン
オーギュスタン・デュメイ
Augustin Dumay
今日を代表する名手による演奏に、心惹かれずにはいられない。彼がモダン・ヴァイオリンの大家の一人であることを改めて知らしめる、時宜を得た名盤。
フランク & R.シュトラウス:ヴァイオリン・ソナタの録音(Onyx レーベル)について
デュメイの演奏スタイルはエレガンスの極みに達している。そして彼の[フランクのソナタの]演奏は、この作品が垣間見せる官能性の鉱脈を掘り下げていく。
~ロンドンのクイーン・エリザベス・ホールでのルイ・ロルティとのリサイタル評
オーギュスタン・デュメイを“モダン・ヴァイオリンの大家の一人”とみなす世界的な批評家たちは、彼の“この上なくエレガントな演奏スタイル”と“妙なる美音”を称えている。この名声は、EMI(現ワーナー)、ドイツ・グラモフォン、オニックスに40枚もの録音を残し、その多くがグラモフォン賞、オーディオファイル・オーディション、ドイツ批評家賞、グランプリ・ディスク、レコード・アカデミー賞などを受賞していることで裏付けられている。
デュメイは10歳でパリ音楽院に入学し、13歳でプルミエ・プリを獲得。その1年後にはシャンゼリゼ劇場とモントルー音楽祭でデビューした。すぐにフランスの聴衆に親しまれるようになったが、1980年、ヘルベルト・フォン・カラヤンとの出会いによって国際的なキャリアをスタートさせることとなった。カラヤンは、自身のスタジオでのレコーディング・セッション中に偶然デュメイの演奏を聴き、すぐにベルリン・フィルとの共演に招いた。
デュメイはその後、ロンドン響、ロンドン・フィル、ロイヤル・フィル、ロイヤル・コンセルトヘボウ管、フランス国立管、ロサンゼルス・フィル、モントリオール響、スイス・ロマンド管、マーラー・チェンバー・オーケストラ、バイエルン放送響など、世界有数のオーケストラと共演している。共演している指揮者は巨匠から若手まで、ラファエル・クーベリック、サー・コリン・デイヴィス、クリストフ・フォン・ドホナーニ、ヴォルフガング・サヴァリッシュ、小澤征爾、クルト・ザンデルリンク、ユーリ・テミルカーノフ、エマニュエル・クリヴィヌ、シャルル・デュトワ、アラン・ギルバート、ダニエル・ハーディング、マルク・ミンコフスキ、ケント・ナガノ、ロビン・ティチアーティらの名が挙げられるが、その壮観な顔ぶれたるや枚挙にいとまがない。ベルギーの映画監督ジェラール・コルビイはドキュメンタリー映画『Augustin Dumay, laisser une trace dans le cœur』を制作しており、それはmedici.tvで観ることができる。
デュメイはまた指揮者としてもコンサートと録音の両方で活躍しており、イギリス室内管、ニュージャージー響、シンフォニア・ヴァルソヴィア、新日本フィルなどに招かれている。2003年から2013年の間、ベルギーのワロニー王立室内管弦楽団の音楽監督を務め、その後2015年まで首席客演指揮者を務めた。2011年から2024年までは関西フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督を務め、今後は名誉指揮者として共演を続ける。2004年よりブリュッセルのエリザベート王妃音楽学校のマスター・イン・レジデンスとして才能ある若手ヴァイオリニストたちの指導にもあたっている。
使用楽器はかつてレオニード・コーガンが使用していた1743年製グァルネリ・デル・ジェス。
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